股関節〜臼蓋形成不全〜治療記
B医大病院診察
しかし、2004年に入ってしばらく右の股関節の痛みが続くようになりました。長時間歩くと右股関節が引き攣れるような感じに痛み、足をかばうような歩き方になります。それまでも股関節が痛むことは度々あり、痛みには慣れていたのですが、ここまで長引くことはなかったのでさすがに少し心配になりました。
そして2004年の10月、28歳になっていた私は何十年ぶりかに、当時通っていたB医大病院に行きました。

●2004年10月28日 初診 埼玉B医大病院


会社を半休し、朝1番に病院へ向かいました。
病院は幼少のころ掛かっていたB医大。当時の記憶はおぼろげだけど十数年ぶりのB医大は懐かしいものがありました。
レントゲンの撮影(4枚。右関節・左関節・両方・開脚)をして、診察をうけたところ、やはり右足の股関節が「臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん=股関節の屋根の部分の発育不良)」であるとの診察結果 でした。左足は形は悪いけど今のところは大丈夫とのことでした。レントゲンを見て説明を受けてよく見て取れました。確かに標準の股関節に比べて私の股関節は形がおかしかったのです。そして診察台で寝転がって足の長さや曲げたときの具合、角度などを図る。

先生「この状態だと手術はいずれ必ず必要になりますね。時期はCTをとってその結果 で検討になります」
覚悟はしていたので特に動揺はしなかった。CTは後日入間の他の病院に撮りに行くことになりました。(この病院にはCTがない?)
気になること、疑問なことをいろいろ質問しました。

■質疑内容
・入院 期間は?:2〜3ヶ月ぐらい
・手術方法は何通りかある
・最終的には「人工関節」に置き換えることとなるが、その人工関節は15年ぐらいしか持たないため、最終手段となる。その前段階として自骨手術で骨の形を整えて、できるだけ人工関節に置き換えるまでの期間を延ばすための手術が今回の「手術」となる。
・費用:まだなんともいえない

・妊娠・出産:妊娠は問題ないが、出産は帝王切開の可能性が高い

お会計:5,355円(交通費620円)
次の診察は2週間後の11月11日に予約。

診察とレントゲン室を数往復したので(診察-レントゲン-診察-レントゲン追加-診察)病院をでたのは昼過ぎになっていました。痛み止めの薬の処方せんを頂きましたが、あえて薬は買わないことにしました。我慢できない痛みではないし、お金がもったいないし、痛みをごまかして病気のことを忘れてしまうのは良いこととは思えなかったからです。


会社に向かうべく駅ホームのベンチで電車を待ちながら手術のことを考える。



長いこと放置してきた病気ですが、ここにきてやっと向かい合うこととなりました。これからおそらく長い闘病生活(と書くと大袈裟ですが)になります。この病気は手術すれば確実に直るものではないらしく、死ぬ までケアを必要とするようです。
社会に出て5年、平々凡々に過ごしてきた生活はずーと変わらず続くのかと思っていました。ある意味これは私にとっては新しい冒険です。
「これからどんなことになるんだろう・・・」
不安と同時にわくわくする気持ちが確かにある私でした。

2004年10月 手記


●2004年11月5日 CT撮影-入間H病院

CTを撮りに入間のH病院へ車で行きました。
そもそもなぜ別の病院で撮影するのかが疑問だったが、防衛医大にはCTがないのだろうと勝手に予測して納得した。
予約の時間より1時間早い9時半に病院へ到着。

CTは四角くて、大きな丸い穴の開いた白い機械でした。
(宇宙船の内部みたい)
専用ローブに着替えて撮りました。アッというまに終り。
この機械、閉所恐怖症の人には恐いらしいです。
CT\?・\?lass=

「撮影したものは見れませんか?」
「う〜ん、これはお医者さんが見るものだからね。直接担当の先生に郵送します」

・・・見たかったな。

(後日見れました)



●2004年11月11日 B医大 2回目の診察

B医大病院での2度目の外来診察です。
9:00に予約していたので待ち時間も少なくてスムーズ。前回よりすこしすいていた。担当のK先生は歳は30台半ばぐらいかな

先日撮影したCT画像には感動。関節の骨が3Dで見れる。
「へぇ〜〜こんなふうに撮れるんですね、すごい」


先生との話。
「前回も言った通り、やはり手術は必要になります。右のほうがひどいのですが、左足も良くないのでいずれは手術が必要になると思います」
「左もですか?」
「はい、左もです。それで手術の方法ですが、手術方法は「骨頭」の形で異なってくるのですが、まず左足の場合はここから骨盤をこう、くりぬ く様な形に切ってずらします。こうして屋根部分を増やします。」
「ふむふむ、ところで骨っていうのは切ってくっつくものなんですか?」
あまりにも素人な質問だったかもしれない。。
「はい、くっつきます4週間ほどでレントゲンで見て取れます。それで右足ですが、右は「骨頭」がだいぶいびつな形をしているのがわかりますね。なのでこちらは左と同じ方法ではなく違う方法になります。骨盤をこの辺で切ってずらす・・・」
「あ、”キアリ術”というやつですね。個人的に本とかネットでちょっと調べたんですけど」
内心少し驚きました。「臼蓋回転骨切術(RAO)」だと考えていたから。キアリ式は出産に不利になるという記事のことも頭をよこぎりました。
「そうです、こうずらして屋根の部分をつくります」
「あれ、上の方をずらすんですか?」
「え、と、はい上下両方少しずつずらします。それで、前回気にされていた出産についてですが、通 常の分娩は大丈夫な可能性もあります。両足ともにキアリ術の場合は(骨盤が狭くなるので)帝王切開になりますが、片足だけなので大丈夫かもしれません。実際にはそのときに産科のお医者さんとの相談になると思いますが」
「そうですか」
大丈夫な可能性があることに少し安堵しました。
「手術の時期ですが、まぁ、なるべく早いほうがいいでしょう。ただ、仕事やご都合もあると思いますので・・・ご結婚とかのご予定はありますか?」
「えーと?」
質問の意図がつかめずにいると
「もし予定があるとしたら結婚後のほうがいいかもしれませんね。復帰までには半年はかかりますので」
「半年ですか、、入院は3ヶ月ぐらいなんですよね?」
「はい、その後はしばらく自宅で安静にしてもらってたほうがいいでのでだいたい半年ぐらいになります」
つまり、先生は結婚して仕事をやめた時が都合が良いのでは?と考えていたようです。

「私は、結婚しても仕事は続けたいなぁと思ってはいるんですが〜・・・」
「そうですか。仕事はデスクワークでしたっけ?」
「はい、そうです」
「それでしたら、大丈夫ですね」

会社員のうちに休みをもらって手術したほうが、休みの間、保険から6割の給料ももらえる訳だし(働かずにもらえるってスゴイね)会社をやめてから手術するのは明らかにもったいない。せっかくの保険、もらえるものはもらいたいよね(^^)b

「ところで、例えば出産後に手術っていうのはどうなのでしょうか?」
「そうですね、それだと、子育て等で忙しくなってしまうので手術は余計に大変になるんじゃないでしょうかね?」
「そっか、確かにそうですね。じゃぁやはり手術するなら今がいいかもですね・・・」
「そうですね、なるべくあと半年以内に手術するのをおすすめします。1年とかは空けないほうがいいですね」

その他質疑応答
Q「手術は痛いですよね??」
A「麻酔しますから大丈夫ですよ」
Q「傷は残りますよね。。。?」
A「そうですね、でも女性ですのでなるべくキレイになるように考慮します」
Q「ほかにも同じぐらいの年齢で同じ病気の人はいますか?」
A「ちょうど今度33歳の女性の手術があります」
Q「レントゲンって借りていけませんか?」・・・ネットにアップしたくて欲しかったのだけどだめでした・・・
Q「執刀の先生は他の先生になるんですか?」
A「私も含めて複数人で手術します」
・輸血は自分の血を前もって採取して自己輸血
・手術時間は3-4時間

先生「けっこう調べられたんですね?」
私「本とかネットでがんがん調べました」
先生「12月はもうだいたいの予約は締め切りなのですが(手術は予約が必要なのね)1-2月に希望するようでしたら早めにご連絡をください」

私「あと、、私趣味でバイクに乗っているのですが、これって良くないでしょうか?」
先生「ほぉ、そうなんですか〜、どんなバイクなんですか?」
私「アメリカンバイクです(^^)←得意」
先生「バイクは、う〜ん・・・そうですね、、」
私「乗っているときは問題はないですよね?乗り降りや取り回しでちょっと負担がかかるかな、とは思っているのですが」
先生「うん、まぁそうですね」
ダメともイイとも、なんともはっきりしない回答でした。 前回の時も出産に関する質問でははっきりした回答をもらえなかったし、あまり熟練の先生ではないのかな・・・なんて思ったり。そんなかんじで1時間ぐらいは話していました。(先生も後半はちょっと疲れ気味に。。すいません)

本日のお会計 220円 也(+交通費620円)
(1時間も先生を拘束してこんなにお安くていいのかしら。いったいどういう会計の仕組みなんでしょう )

とにかく、今の悩みどころは
「手術するかしないか」ではなく「いつ手術するか」。
決心もだんだん固まり、頭の中ではこれからの生活がどうなるのかがぐるぐると廻っていました。

 

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