いくらの一人旅記録
ヨーロッパ鉄道の旅
 オーストリア 2月2日

2月2日(水)晴れ

リンツ&ウィーン<1日だけの滞在>
オーストリアに向かう国際線にて国境はなんなく越えられた。座席で簡単なパスポートチェックを受けただけだった。10時半にミュンヘンをでて、12時半にオーストリアのザルツブルクに到着した。まず通 貨を用意していないのでワールドキャッシュで400シリング降ろした。駅構内にATMがあって便利だった。当時のレートは1As=8円ぐらい。

駅のトイレに入ろうとした。そこには張り紙で7Asとあった。お札を下ろしたばかりで小銭がなく、どうしたもんかと考えた。とりあえず入るとおばさんがいたので試しに余ったドイツマルクのコインを出してみた。しかしやはり首をふられた。仕方なく100シリング札をだしたらちゃんとおつりをくれた。おつりが置いてあるようなしっかりしたトイレには見えなかったのに。
 ザルツブルクでウィーン行きの列車に乗り換えてリンツという街で降りた。とくに何があるという街ではなかったのだが、今夜乗る予定の夜行列車にこの駅で乗ると都合がよかったからだ。もちろん初めて訪れた街だし、なにかあるかな・・という期待は持っていた。
列車を予約してから暇つぶしに市内観光。少しぶらぶら歩いていくとYHの案内看板を見かけたので泊まる予定はないがYH探しをしてみた。ほどなくYHを見つけたが、

・・・大丈夫?

と思ってしまうような見かけの良くないYHだった。

なにか軽食を買おうと小さな八百屋のような店に入った。店先にはフルーツが積んであり、店内には食料品が所狭しと並んでいた。これといったものもなかったのだが、菓子パンとペットのジュースを買った。パンをもぐもぐ歩いて行くと教会が目に入ったのでよってみることにした。パンがまだ食べ終わらないので教会の目の前のベンチに座った。教会を見上げる。おもむろにカメラをかまえてうまいトリミングを探す。だんだん格好がふんぞりかえっていって通 行人に変に見られた。

 リンツはショッピングが楽しい街だと思った。若者むきかな。あちらこちらウインドーショッピング。好物の”モーツアルトリキュール”のミニチュアサイズを買った。モーツアルトリキュールはチョコレートのリキュールで牛乳で割るとおいしいのだ。ミルクチョコ、ホワイトチョコ、カプチーノの3種類ある。原産国はドイツなのだがドイツでは買いそびれた。

「10Asショップ」なるものを見つけたので入ってみた。日本で言う「100円ショップ」だろう。置いてあるものも似たようなものだった。 そこで靴のかかと用の中敷を買った。これは後々重宝した。実際履いている靴は茶色い編み上げのロングブーツ。日本ではき慣れていた靴だったのだが、普段より何倍も歩いているとさすがに足がしんどくなってきた。この中敷をかかとではなく足先の方にしいたらなかなか快適になった。駅へ戻ったのは5時過ぎだった。夜行列車は23時発なのだが、リンツではすることがないのでウィーンに行ってみることにした。その夜行の始発はウイーンだからそこで乗ってしまおうと考えた。

リンツから約2時間、20時頃ウイーンに到着した。

出発まで1時間ぐらいしか時間がなかったので観光はあきらめた。そこで探したのはシャワー室。ヨーロッパの主要都市の大きな駅にはたいていあるとの話だが、なかなかシャワールームを見かけたことはなかった。しかしウイーンの駅で初めてシャワー室を見つけた。中には管理のおばさんがイスに座っていた。シャワールームは個室で二つあった。個室は普通 のトイレの4倍ぐらいの広さでシャワーがとイスが一つ。時間制で30分。5分前になったら声をかけるとのこと。42As(=約340円)支払って利用した。駅のトイレで裸になっているような気分でなんだか落ち着かなかった。しかしリフレッシュできて満足した。

あらためてウイーン駅を見渡すとやたらと日本人が目に付いた。駅内のマーケットで夜食を買い込んで夜行に乗り込んだ。(EN466チューリヒ行き)一応、車掌さんにチケットを見せてウイーンで乗り込んだ事情を申し出たが問題はなかった。

これから向かうのはスイスの有名なリゾート“サンモリッツ”。目的は車窓風景が素晴らしいことで有名な“ベルニナ急行”に乗ることだった。オーストリアからスイスサンモリッツに行くにはなかなか面 倒で何度か乗り換えが必要だった。夜行の場合にうまい接続があるかは事前にトーマスクックで調べておいた。

最初の乗り換えSargans駅の手前でパスポートチェックで起こされた。時間は5時過ぎだった。Sargans駅で30分ほどまつことになった。あたりはまだ薄暗く静まり返り、人は2〜3人いるだけだった。駅をうろついてみた。お菓子の自販機があったのでなんか買おうかと思ったが、ここはもうスイス圏、スイスフランがないので買えなかった。クレジットカードが使える電話ボックスがあったので暇つぶしに自宅に電話を入れてみた。しかし誰も出ないのであきらめた。やっと電車がきて乗り込んだが、30程走って着いたChur駅でまた乗り換えのため下車。20分待って次の電車に乗り換えた。そして走ること2時間、朝9時頃にやっとサンモリッツに到着した。


 

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