ロゴひとりっぷ卒業旅行

ミラノとユーロライン|イタリア編

2月8日(月)晴れ
ヴェネチアから IC で約3時間、ミラノ中央駅に到着したのは14時頃。数日前に来たときは夜遅くですぐに夜行に飛び乗ってしまったのでまともに駅も街も見ていなかったが、改めてくると大きな駅である。
今夜はミラノ滞在だ。YHはいくつかあるようだが、しのぎの宿なので一番安いとこに決めた。そのYHは最寄り駅からちょっと距離があり、壊れたキャリーバックを運ぶのがつらかった。建物は古いが近代的でシンプル。空きもあったのでチェックインをして荷物を置いて街にでた。
まず、ユーロラインのオフィスを探した。住所からなんとかみつけることができた。
話を聞くとユーロラインは国から国への長距離移動ができる国際バス。そして、ユーレイルパスのようなものがあることも教えてもらった。1ヶ月間国際バス乗り放題のパスが455000リラ。日本円にして約29575円だ。ユーレイルパスよりかなり安い。
とはいっても予定外の出費の3万円は痛いし少し悩んだ。でもこれがあれば旅を続けることができる。私は購入することを決めた。そのつど列車のチケットを買うことを考えればこっちのほうが断然安上がりだ。
その時は現金を持っていなかったので明日また来ることを告げてオフィスをでた。
観光する気分でもなかったが、少し市内を散策してマーケットで食料などを買ってからYHに戻った。その夜は早く寝た。

翌朝早朝5時ごろ(日本時間13時頃)、日本の旅行代理店に電話を入れた。担当のKさん いわく
「航空券の再発行はできるとは断言できません。現地の大韓航空オフィスを訪ねて相談してください。できるかもしれません。」
と、言う返答だった。
新たなミッション。大韓航空オフィスに行かなければならない。
大韓航空のオフィスはがあるのは大韓の就航都市であるパリ、ロンドン、フランクフルト、チューリヒ、ローマだけである。この中のどこに行くか。一番近いのはチューリヒだが、またスイスに戻るのはなんだか気が進まない。ロンドンは最終地だし、ローマも戻ることになるので選択外、出発地フランクフルトに戻るのは一番気が進まない。消去法でパリが残った。
フランスパリ。次の目的地が決まった。
即座に頭の中で旅程を組み直した。やはりユーロラインパスが都合がいい。早く安心したいので寄り道はしないでまっすぐパリに向おう。パリへ着いてチケットの再発行の手続きをする。それからスペインへ向かい、当初の旅程通りの軌道にもどる。スペインの後はまたパリにもどるか、アムステルダムかブリュッセルからバスでロンドンに渡り、イギリスで1週間過ごす。
うまく旅を続けられそうだ。

午前中に再びユーロラインオフィスを訪ねユーロラインパスを購入し、今夜のパリ行きの夜行バスを予約した。
観光する気分ではないのでバス出発までの時間を持て余した。お金も無駄遣いできないので適当に街を散策。とある無料の美術館に入った。ミケランジェロの“ロンダニーニのピエタ”がある美術館だ。彫刻の前に置いてあるベンチに座ってしばし眺める。そういえば、私曲りなりにも美大生なんだよね。こうやって世界的に有名な彫刻を小一時間眺めていたら、何か芽生えるものがあるかな。
・・・もちろん、そんなドラマティックな現象は起こらなかった。
美術館を出たところに公園があった。公園のベンチに座ってぼーとする。
うーん、ひまだ。

夕方5時過ぎ、駅近くのマーケットで夜食を買った。それからロッカーに預けてあった荷物をとりだしユーロオフィスに向った。 夜行バスの集合場所はオフィスの前で、出発前にオフィスでチェックインをする必要がある。オフィスはお客で一杯だった。早めに来すぎて時間があったため、向かい側にあったジェラテリアに入った。ジェラードを買うと、店員さんが私に小さいハート型のチョコレートをくれた。そんな陽気なイタリア男性になんだかほっこりした。
19時半、バスの出発時間だ。オフィス前には何台かのバスが止まっていて、これから乗る乗客でにぎわっていた。日本語の片言をはなす黒人のお兄さんに話しかけられたりもしたがあやしいので軽くあしらった。男女2人組の若い日本人がいた。唯一の日本人だったので話しかけた。2人はフランスに留学していて、そろそろ帰国なので最後にイタリアに旅行に来ていたのだそうだ。私と同じバスだった。

バスはパリに向けて出発した。