ロゴひとりっぷ卒業旅行

パリと航空券再発行|フランス編

2月10日(木)晴れ
パリに到着したのは8時半頃だった。ミラノから約13時間、列車より安い訳だ。 バスが止まったのは、広いバスターミナルを併設したユーロラインオフィスの前だった。オフィスには売店やロッカー、トイレなどの設備があった。
窓口で次のバスを予約しておくことにした。希望したのは今日中発のアリカンテ(スペイン)行きの便。しかし残念ながら満席だったため明日の便を予約した。今日はパリ泊だ。
まずすることは大韓航空のオフィス探し、それから宿探し。大きな荷物をロッカーに入れてメトロ駅へ移動する。ユーロオフィスはメトロ3番の終点駅Galliany 駅に隣接していた。なんか見覚えのある場所だと思ったら、3年前、初めての一人旅でパリに来た時に滞在したホテルの最寄りの駅だった。駅を出ると目の前に当時宿泊したホテルがあり、その向かいには大型デパートAuchanがある。3年前の初めての一人旅を思い出して懐かしかった。

メトロに乗って大韓航空のオフィス探し。分かっているのは住所だけだったがすぐに見つけた。大通りに面して建っているビルで大きな看板をかかげている。正面はガラス張りで中が丸見え。空港のロビーのような造りで少し敷居が高い印象をもった。
中に入る。客は1人もいなかった。カウンターには係員が2人いて、取り合えず挨拶をして椅子に座った。
航空券のコピーとパスポート、盗難届をだして航空券が盗まれたことを何とか説明して、再発行ができるか聞いた。受付のおばさんは私が言ったことを、言葉を言い換えてゆっくり繰り返して確認した。言いたいことは伝わったようだ。
そして200フラン(約3600円)で再発行可能であるという回答をもらった。
瞬間、心のもやもやが一気に晴れた。
「やった!帰れる!旅も続けられる!!」
これほどうれしい瞬間はない。

ただ発行には1週間かかるらしい。1週間後に取りに来る旨を伝えてオフィスをでた。

イエイ。

ことは良い方向に流れている。足取りも軽くなった。トラベラースチェックも移動手段も、航空券もなんとかなってふりだしに戻った。
再発券ができるまでの1週間でスペインを廻って戻ってくる旅程に決めた。スペインにこだわるのは実は友人がスペインのアリカンテに留学していて、会いに行く約束があったからだった。

今夜の宿もユースホステルを予約した。カルネ(バス・メトロの回数券)を買って適当に市内観光。ノートルダム寺院をのぞいてみたり。
メトロでGalliany駅に戻りAuchanで買い物して、ロッカーに預けた荷物をとりだす。YHに早めにチェックインをした。少しお腹が痛む。生理が始まりそうだ。水に近い最悪のシャワーを浴びてバファリンを飲みベットで休んだ。

翌朝。時々水攻めをしかけるモーニングシャワーを浴び、朝食を取りに下に降りた。1階のせまい食堂は小学生ぐらいの団体でにぎわっていた。
朝食は飲み物(コーヒーかココアか紅茶)とバケットだけの簡単なもの。テーブルに大皿でバターがのってて、他に何種類かのジャムが瓶で置いてある。ココアがおいしくて2回おかわりした。
荷物の整理などをしてゆっくりチェックアウト。ユーロラインオフィスのあるGalliany駅に行きロッカーに荷物を預け、ついでに18日のパリ発アムステルダム行きを予約した。1週間後パリへ戻ってきた日にアムステルダムへ行こうと考えたためだ。
今日のアリカンテ行きバスの出発時間は15時。それまでの時間を適当につぶすためバスで市内に出た。ルーブルの近くで降りてルーブルに続く公園を散歩がてらに歩いた。観覧車の下の売店でおおきなワッフルを買ってたべた。ウマイ。
特に何をすることもなく時間を費やし、メトロでGalliany駅に戻った。スーパーマーケットAuchanで食料を買い込んでユーロラインバスにチェックイン。ロッカーの荷物をとりだして、バスの荷台に積み込んでもらってバスに乗り込んだ。バスは2階建ての大型バスだった。最初にお年寄りの方から1階の席に乗って、私は2階席へ上がった。さぁ出発!

●耐久!21時間バスの旅
途中の停留所でも何人か乗り込んでくる客がいて、バスは満席になった。私は窓際に座っていて、隣にはがたいのいい黒人さんが座った。けっこう窮屈。
アリカンテ到着予定時刻は翌日の13時。はたして、このまま21時間耐えられるだろうか。 20時、出発して約5時間が経った頃リヨンの手前あたりで最初の食事休憩。セルフのカフェテリアのようなところだった。私は買い込んだ食料があったのでそこで食事はとらなかった。このバスでも映画が2本立てで放映された。1つはまたしても「仮面 の男」で今度はフランス語の吹き替え版だった。流行ってるのかしら。言葉の違いが面白い。もう1つは「逃亡者」。セリフはさっぱり分からなかったけど、こちらは映像だけでもストーリーが分かって楽しめた。