ユーラシア大陸最西端「ロカ岬」と旅の終着
2009年5月10日 |
ポルトガルのリスボン郊外にある「ロカ岬」はユーラシア大陸最西端の地。
ここに立つ石碑には、ある詩が刻まれている。
AQUI ONDE A TERRA SE ACABA E O MAR COMECA
ここに 地 終わり 海 はじまる
ポルトガルの詩人ルイス・デ・カモンイス 叙事詩「ウズ・ルジアダス」第3詩20節
ここに 地 終わり 海 はじまる
ポルトガルの詩人ルイス・デ・カモンイス 叙事詩「ウズ・ルジアダス」第3詩20節
Ponta mais ocidental do continente Europeu
ヨーロッパ大陸 最西端
西には大西洋の大海原が広がる
この大西洋を越えた遥か先には北アメリカ大陸がある。
あぁ、もし有り余る時間があるのなら、この海を越えてアメリカ経由で日本へ戻ってみたい。
「地球一周の旅」
それはまた、いつか、きっと。
「大陸を感じる旅」のフィナーレ。
ユーラシア大陸東端の日本から、ドイツを経由しスペインのマドリッドから鉄道とバスを乗り継いで到着した最果ての地。
ここには何があるわけでもない。むしろ、何もない。
そしてここに来る具体的な目的があったわけでもない。
ただ、見てみたかった。ここに立ってみたかった。感じてみたかった。それだけだ。
でもそれが旅の本質だ。人生にロマンのエッセンスを。
旅の終着 ロカ岬 |
何もないところだ。ただ人気の観光地とだけあって駐車場にはたくさんの車が止まっていて観光客はたくさんいた。
バスを降りるとここでまた、シントラで一度別れたMさんに会った。何とも縁のあることだ。彼は一足先に来ていたようだが見学を終えてもうリスボンへ戻るといってバスに乗り込んで行った。
駐車場にはビジターセンターが隣接していて、そこから岬の先端まで一本の道が伸びている
石碑に向かってゆっくり歩く。
石碑にタッチ。そしてゴール。
私だけの小さなゴールだ。
その時、雲っていた空の隙間から青空がのぞいた。
岬から見えるのは大西洋の水平線と断崖絶壁。
遠く崖の上に立つ人が米粒のように小さく見える。
「ここに地終わり、海始まる・・・か」
何をするでもなく、何を考えるでもなく、ただ、その景色を眺めた。
ビジターセンターでは「ロカ岬にきた証明書」を有料で発行してもらえる。でも私は買わなかった。
「モノより、思い出」
ここに来たという事実・確かな記憶、それがあればいいのだ。
ロカ岬にはビジターセンターの他にカフェテリアもあった。岬を一望できるロケーションの良いお店だ。
バス出発まで少し時間があったので少し休憩。
ここで初めてポルトガル名物「エッグタルト」を食べました。うー〜〜〜まいう〜♪
ロカ岬からリスボンへ戻るルートはふたつ。
バスでシントラに戻り電車でリスボンへ、という来たルートを逆回りするか、もうひとつはバスでカスカイスという街に出て、そこから電車でリスボンに行くルート。
来た時と同じルートを戻るのじゃつまらないからと、私は迷わず後者のルートで帰ることにした。
17:40ロカ岬出発のバスでカスカイスを目指す。右に海岸を見ながらの爽快なルートです。
カスカイスの町はこれといって見どころがあるわけでもない小さな町だ。電車の時間まで少し時間があったので少しだけ街を散策。駅から少し歩くと小さなビーチがあった。その周辺ではワンコの散歩をする人、おしゃべりに花を咲かす女子グループ、愛を語り合うカップル。
旅の中で、その土地の何げない日常生活を垣間見ると、同じ場所にいるのに私だけが違う時間の流れにいるような感覚になる。
18:43カスカイス発の電車でリスボンへ向かう。
空はだんだんと日が沈みはじめた。