恐怖のバーリナイト
クロアチアのドブロブニクを出港してクルージングすること約7時間。紺碧の大海原を望みながらの航海は大変すばらしくあり、ちょっぴり退屈でもあり、時間をもてあましつつも「これも旅の醍醐味」とのんびり読書したり船内をうろうろしたりして過ごしているうちに、イタリアの大陸が見え始めました。いよいよ港町バーリに到着です。日も徐々に暮れ初めサンセットが美しい。 港に到着し下船です。港には大きなフェリーが数隻停泊していて圧巻!飛行機もそうだけど大きな乗り物って間近で見ると感動するね。 このフェリーたちはどこから来てどこへ行くのだろう。 ▲遠くに見える写真中央のフェリーが乗ってきたヤドロリニヤのフェリー(のおしり)。振り返って撮影。左右にも大型フェリーが。 人の流れに乗って建物に入りイミグレーションでパスポートにスタンプを押してもらって無事イタリアに入国。建物内はこれからフェリーに乗る客でごった返していました。おそらく、私たちが乗ってきたフェリーはこれからまた人を乗せてドブロブニクへ戻るのだろう。 さて。今夜はバーリ駅を深夜に出発するローマ行き夜行列車の寝台を予約しているので、私たちはまず駅へ行かねばなりません。駅までは歩ける距離らしくその道のりには観光スポットもあるみたいだけど、荷物もあるし疲れているので大事をとってタクシーで行くことにしました。 イタリアのタクシーはぼられることがあるので乗る前に確認する!というのはもう鉄側で、オット君が「駅までいくら?」と確認すると 「フィフティユーロ」と回答が。 そしてタクシーに乗り込む。 「ねぇねぇ、フィフティって言ったよね??50ユーロだよね?つまり6000円くらいだよ、たかくない??」 英語なのにとっさに数字に変換できなくて、もしやぼったくりタクシーに乗ってしまったかと駅までドキドキ。。駅に到着して支払いです。さすがに50はありえないから、きっとフィフティーン(15ユーロ)の聞き間違えに違いない、と自分に言い聞かせて恐る恐る20ユーロ札をだしたらちゃんとおつりが帰ってきた。 なんだーやっぱ聞き違いか(^^;) ちなみに港から駅まで意外と距離があったのでタクシーで大正解でした。ここまでくる道のりは賑やかな活気のある町並みで、イタリア南部の町バーリの雰囲気を感じることができました。田舎かと思っていたけどけっこうな都会です。 現在の時刻は夜の9時。列車は24時出発なのでどこかで時間をつぶさなくてはなりません。まだ夕食を食べていなかったのでまずは近くで夕食にしようと駅を出ました。 駅前広場もなかなか活気があり人も多く、インフォメーションの建物近くには黒人さんが2〜30人くらいわらわらとたむろしていて・・・ 「イタリアは南へ行くほど治安が悪い」 あまりにも有名なその定説が脳裏をよぎります。。。いや、たぶんかなり偏見もあるのかもしれないけれど、、、夜の9時過ぎに駅前でたむろする目的っていったい?みたいな。 足早に目立たないように明るいお店を目指す。でもこれといって心惹かれるお店はなく、仕方なく入ったのはピザのファーストフード店。 そこそこ客の入ったにぎやかな店内で無難なセットメニューを頼み席について食べていると 「マネープリーズ」 物乞いのおじさんが近寄って声をかけてきました。。断ったらすぐに引き下がったけれどしばらく店内をうろうろ歩いていて・・・正直怖ぃ。 「夜行列車の時間までいったいどーするつもりだったの?」 「いや、てきとーに時間つぶしてればすぐかなって、あんま考えてなかった。。」 「この雰囲気の中であと2時間以上って。。。」 「うーん。。。」 オット君の不安ももっともだ。バーリがここまで雰囲気がよろしくないとは思っていなかった。一昨年、ミラノの駅で23時発の夜行列車を1人で待ってて平気だったので同じように考えていたのだけど。。不安っていうのは2人だと倍増するのか。 私はアイフォンを取り出し調べごとをはじめた。イタリア国鉄のサイトで時刻表を検索し別の案を思いついた。 「22時発のミラノ行きの夜行に変更する?そしたら時間ももうすぐだし。ローマ行きをあきらめることになって寝台のお金は無駄になるけど」 夜行列車の寝台は事前予約で購入済みなのでそれをキャンセルすると返金がないのでもったいないことになるけど、背に腹は変えられない状況だ。とりあえず、ミラノ行きが今から買えるか確認しに駅の窓口へ行ってみることにした。 「・・・窓口、ぜんぶしまってる。。。(T_T)」 作戦失敗。断念。 駅の待合室でちょっと待ってみようといってみると、そこではあきらかに路上生活者とおぼしき方々がごろごろと寝ていました。 ・・・う”。。ここもなんかキケンだ。。 仕方なく駅を出て、さっきのピザ屋の隣にあったマクドナルドに入った。幸い深夜1時まであいているらしい。ここで時間つぶせることはつぶせるな。 コーヒーを2つ頼みカウンター席に座って時間つぶし。店内はなかなか混雑でふつうの若者もたくさんいるしけっこう大丈夫そうじゃん。 ・・・と思っていたのは私だけみたい。船旅の疲れもあってうとうとしはじめどうみても限界に近い様子のオット君。 これは、やっぱ無理だ。 私は決断した。 アイフォンを取り出し再び調べごと。いくつかヒットした中からよさそうなところを選びめぼしをつけた。 「よし、ホテルとろう。夜行列車はあきらめよう」 のみかけのコーヒーをゴミ箱に捨ててオット君を連れてマクドナルドを出た。駅前にはいくつかホテルがあったけどちょっと高いので5〜6分ほど歩いたところの三ツ星ホテルをあたった。 「すいませーん、今夜泊まれますか?」 「イエース」 人のよさそうなお兄さんが対応してくれて、無事にチェックイン。 ホテルモダーノ(ホテルレポ|ホテルモダーノ バーリ) オット君もほっと一息つけたようでよかった。 安心とストレスフリーは重要なのだ。 |
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